ホワイトニング
口元の審美志向が高まる中、歯を白くするホワイトニングが人気を集めています。ホワイトニングには歯科医院で行うオフィスホワイトニングと、ご自宅で行うホームホワイトニングがあります。この2つの特徴はどのような違いがあるのでしょうか。
ホワイトニングで歯が白くなるのはなぜ?
歯は年齢や飲食物の着色などでだんだん黄ばんできます。特に加齢による黄ばみは、歯磨きや歯のクリーニングだけで白くすることは難しくなります。
歯が黄ばむのは、歯の内部の象牙質が年齢とともに色が濃くなり、エナメル質を透過するためです。このため、クリーニングで歯の表面の汚れは落とすことができても、内部の象牙質まで白くすることはできません。歯の内部の色素を分解し、白くするためにはホワイトニングで改善できます。
ホワイトニングは、歯の表面に過酸化物を含んだ薬剤を塗布し、光や熱を当てることで内部の色素を分解し、白くします。またホワイトニングの薬剤はエナメル質をマスキングする特徴があるため、歯を白く見せることができることも特徴です。
オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングは、歯科医院で行うホワイトニングです。一度の施術で効果が現れることが特徴です。一気に白さを実感したい方、イベントに合わせてすぐに白くしたい方などに効果的です。
オフィスホワイトニングでは、歯にホワイトニングの薬剤を塗布し、光を照射して漂白します。事前に虫歯がないか、また知覚過敏の症状がどうかなど、口腔内の事前検査を行い、問題がなければホワイトニングを行います。一度の施術で白くなりますが、後戻りが早いため、継続的に行うことで白さを持続することができます。また、ホワイトニング当日は2〜3時間(歯の本数によって異なります)を要することがあります。
ホームホワイトニング
ホームホワイトニングは、自宅で行うホワイトニングです。歯科医院でホワイトニング用のマウストレーを作製し、ホワイトニングの薬剤を流し込んで毎日2時間ほど装着することで、だんだん歯を白くしていきます。ホームホワイトニングはオフィスホワイトニングに比べて効果の現れ方がゆっくりです。しかし白さが持続する点では、オフィスよりもホームのほうが優れています。
ホワイトニングを行う上での注意点
ホワイトニングでまっ白になった歯をできるだけ持続させるためのポイントをお伝えします。
- ホワイトニング後の
30分~1時間後は、
着色しやすいものを避ける - エナメル質の表面は「ペクリル」という薄い膜で覆われています。ホワイトニングの直後は、このペクリルが剥がれている状態になっており、再生されるときに色の濃いものやタバコのヤニなどを一緒に巻き込んで再生してしまう可能性があります。ホワイトニング直後にコーヒーや赤ワインなど、色素の濃いものを摂取すると、着色するリスクが高まるため、ホワイトニング後の24時間は、できるだけ色の濃いもの、喫煙を避けるようにしましょう。
- 着色しやすい物を
摂取したあとは、水などを飲む - コーヒーや紅茶などを好んで飲む方は、着色をできるだけ避けるためにも、嗜好物を摂った後は水を飲むと良いでしょう。
- ホワイトニング効果のある
歯磨き粉を使う - 毎日の歯磨きのときに使う歯磨き粉を、ホワイトニング効果のあるものを使うことで、日常的なステインを落とす効果があります。
ホワイトニングで改善が難しい歯について
ホワイトニングを行えば、どんな歯でもまっ白になるわけではありません。ホワイトニングで改善が難しい、あるいは改善できない歯についてお伝えします。
神経が死んでいる失活歯
神経を取った歯はグレーっぽく変色します。ホワイトニングである程度改善が見込めますが、他の歯に比べると白さが劣る可能性があります。なお失活歯の内部を漂白する「ウォーキングブリーチ」という方法もありますので、神経を取った歯の色に悩む方は、いちど歯科医院で相談してみて下さい。
詰め物や差し歯などの人工歯
ホワイトニングは、天然歯に効果があるため、人工歯を白くすることはできません。
テトラサイクリン系抗生物質により変色した歯
テトラサイクリン系という抗生物質によりグレーに変色した歯はホワイトニングでは白くすることはできません。ラミネートベニアや白い被せ物で対処する方法がいちばん効果的です。
ご自身のライフスタイルにあったホワイトニングを行いましょう
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングの特徴をお伝えしました。いずれか片方でも構いませんが、両方併用することで、すぐに白さを実感し、長く持続させることもできます。ご自身のライフスタイルに応じた方法を選ぶと良いでしょう。